FX取引を始めるとき、どの取引プラットフォームを選ぶかは重要な決断です。最近、MT5(MetaTrader 5)に対応した国内FX業者が増えています。
MT5は世界中のトレーダーが愛用する高機能な取引ツールです。しかし、「MT4との違いがわからない」「どの業者を選べばいいの?」と迷う方も多いでしょう。
この記事では、MT5対応の国内FX業者を厳選して紹介します。初心者でも安心して始められるよう、選び方のポイントも詳しく解説していきます。自分にぴったりの業者が見つかるはずです。
MT5って何?MT4との違いを初心者にもわかりやすく説明
MT5について知る前に、まず基本的なことから整理しましょう。MT5は「MetaTrader 5」の略称で、ロシアのMetaQuotes社が開発した取引プラットフォームです。
世界中で使われているこのツールは、チャート分析から実際の取引まで一つのソフトで完結できます。多くのプロトレーダーが愛用している理由は、その豊富な機能にあります。
MT5の基本的な特徴と魅力
MT5の最大の魅力は、高度な分析機能が無料で使えることです。21種類の時間足が用意されており、細かい値動きまで確認できます。
テクニカル指標は38種類と豊富で、複雑な分析も可能です。描画オブジェクトも44種類あり、サポートラインやトレンドラインを自由に引けます。
さらに、バックテスト機能も充実しています。過去のデータを使って取引戦略を検証できるため、実際の取引前にリスクを把握できるのです。
MT4とMT5はどこが違う?比較表で一目瞭然
MT4とMT5の主な違いを表で確認してみましょう。
| 項目 | MT4 | MT5 |
|---|---|---|
| 時間足の種類 | 9種類 | 21種類 |
| テクニカル指標 | 30種類 | 38種類 |
| 描画オブジェクト | 31種類 | 44種類 |
| 板情報表示 | 非対応 | 対応 |
| ヘッジ取引 | 対応 | 非対応 |
| 経済カレンダー | 非対応 | 内蔵 |
MT5の方が新しいだけあって、機能面では圧倒的に優れています。特に板情報が見られるのは大きなメリットです。
ただし、MT4には豊富なカスタムインジケーターやEA(自動売買ツール)が存在します。自動売買を重視する場合は、MT4の方が選択肢が多いかもしれません。
なぜ今MT5を選ぶ人が増えているのか
MT5を選ぶトレーダーが増えている理由は明確です。まず、取引の透明性が高いことが挙げられます。
板情報が確認できるため、どの価格にどれだけの注文が入っているか一目瞭然です。これにより、より精度の高い取引判断ができるようになります。
また、MT5は継続的にアップデートされています。新機能の追加やバグ修正が定期的に行われるため、常に最新の環境で取引できるのです。
一方、MT4は2018年以降、大幅なアップデートが停止されています。将来性を考えると、MT5を選ぶのが賢明な判断といえるでしょう。
MT5対応の国内FX業者5選!特徴とおすすめポイント
国内でMT5に対応している業者は限られています。ここでは、特に信頼性が高く、取引環境に優れた5社を厳選して紹介します。
それぞれの業者には独自の特徴があります。スプレッドの狭さ、約定力の高さ、サポート体制の充実度など、様々な観点から比較してみましょう。
1. FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)- 狭いスプレッドが魅力
FXTFは、MT5対応の国内業者として高い人気を誇ります。最大の特徴は、業界最狭水準のスプレッドです。
主要通貨ペアのスプレッドは以下の通りです。
| 通貨ペア | スプレッド |
|---|---|
| USD/JPY | 0.1銭 |
| EUR/JPY | 0.3銭 |
| GBP/JPY | 0.6銭 |
| AUD/JPY | 0.4銭 |
| EUR/USD | 0.1pips |
これらのスプレッドは原則固定(例外あり)で提供されています。取引コストを抑えたい方には最適な選択肢でしょう。
また、約定力も非常に高く評価されています。スリッページ(注文価格と約定価格の差)が発生しにくい環境が整っているのです。
2. 外為ファイネスト – プロ仕様の取引環境
外為ファイネストは、機関投資家向けのサービスを個人にも提供している業者です。MT5の機能を最大限に活用できる環境が整っています。
特筆すべきは、NDD方式(ノーディーリングデスク)を採用していることです。これにより、透明性の高い取引が可能になります。
取引可能な通貨ペアも豊富で、30種類以上から選択できます。マイナー通貨ペアも多数取り扱っているため、分散投資にも適しているでしょう。
スプレッドは変動制ですが、市場の流動性に応じて常に最適化されています。深夜や早朝の取引でも、比較的安定したスプレッドが提供される点も魅力です。
3. アヴァトレード・ジャパン – 豊富な通貨ペアと分析ツール
アヴァトレード・ジャパンは、グローバルに展開するアヴァトレードの日本法人です。世界基準の取引環境を国内で利用できます。
取り扱い通貨ペアは55種類と非常に豊富です。メジャー通貨はもちろん、エキゾチック通貨まで幅広くカバーしています。
| カテゴリ | 通貨ペア数 |
|---|---|
| メジャー通貨 | 7種類 |
| マイナー通貨 | 21種類 |
| エキゾチック通貨 | 27種類 |
MT5に加えて、独自の分析ツールも提供しています。「Trading Central」の市場分析レポートが無料で利用できるのは大きなメリットです。
教育コンテンツも充実しており、初心者から上級者まで幅広いレベルの学習材料が用意されています。
4. フォレックス・ドットコム – 世界基準の取引プラットフォーム
フォレックス・ドットコムは、アメリカに本社を置くStoneXグループの日本法人です。世界20カ国以上でサービスを展開している実績があります。
MT5の提供においても、本家に近い環境を実現しています。板情報の表示精度が高く、スキャルピング取引にも適しているでしょう。
レバレッジは最大25倍まで設定可能です。証拠金維持率も100%と、他社より余裕のある設定になっています。
さらに、24時間日本語サポートを提供している点も安心材料です。困ったときにいつでも相談できる体制が整っています。
5. サクソバンク証券 – 機関投資家レベルの情報提供
サクソバンク証券は、デンマーク系の投資銀行の日本法人です。機関投資家向けのサービスを個人投資家にも提供しています。
最大の特徴は、豊富な市場情報とリサーチレポートです。オートチャーティストによる自動テクニカル分析も利用できます。
取引可能な商品も多彩で、FXに加えて株式、債券、商品CFDなども取り扱っています。一つの口座で多様な投資が可能です。
ただし、最低入金額が10万円と他社より高めに設定されています。ある程度まとまった資金で取引を始めたい方に適しているでしょう。
どれを選ぶ?MT5業者を選ぶときの重要なチェックポイント
MT5対応業者を選ぶとき、何を基準にすれば良いのでしょうか。重要なポイントを整理して、自分に最適な業者を見つけましょう。
取引スタイルや投資金額によって、重視すべき点は変わってきます。まずは自分の取引スタイルを明確にすることから始めてください。
スプレッドと手数料はどのくらい違う?
スプレッドは取引コストに直結する重要な要素です。特に短期取引を行う場合、わずかな差が大きな影響を与えます。
主要業者のスプレッド比較表を確認してみましょう。
| 業者名 | USD/JPY | EUR/JPY | GBP/JPY |
|---|---|---|---|
| FXTF | 0.1銭 | 0.3銭 | 0.6銭 |
| 外為ファイネスト | 変動 | 変動 | 変動 |
| アヴァトレード・ジャパン | 0.3銭 | 0.5銭 | 1.0銭 |
| フォレックス・ドットコム | 0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 |
固定スプレッドと変動スプレッドには、それぞれメリット・デメリットがあります。固定スプレッドは予想しやすいものの、相場急変時に拡大する可能性があります。
変動スプレッドは市場の流動性に応じて変化するため、時間帯によっては非常に狭くなることもあるのです。自分の取引時間帯を考慮して選択しましょう。
約定力とサーバーの安定性を見極める方法
約定力は、注文が意図した価格で成立する確率を示します。スプレッドが狭くても、約定力が低ければ実質的な取引コストは高くなってしまいます。
約定力を判断する指標として、以下の点を確認してください。
まず、スリッページの発生頻度です。多くの業者が約定率を公表していますが、99%以上であることが望ましいでしょう。
次に、サーバーの安定性も重要です。取引の集中する時間帯でもシステムが安定していることが必要です。
実際に利用する前に、デモ口座で動作確認することをおすすめします。特に重要な経済指標発表時の動作を確認しておくと良いでしょう。
サポート体制と日本語対応の充実度
トラブルが発生したとき、迅速に対応してもらえるかどうかは重要なポイントです。特に取引中の緊急事態では、サポートの質が損益に直結することもあります。
各業者のサポート体制を比較してみましょう。
| 業者名 | 対応時間 | 対応方法 | 日本語対応 |
|---|---|---|---|
| FXTF | 平日24時間 | 電話・メール・チャット | 完全対応 |
| 外為ファイネスト | 平日9:00-17:00 | 電話・メール | 完全対応 |
| アヴァトレード・ジャパン | 平日24時間 | 電話・メール・チャット | 完全対応 |
| フォレックス・ドットコム | 24時間 | 電話・メール・チャット | 完全対応 |
24時間対応の業者を選ぶ場合でも、深夜帯の対応品質を事前に確認しておくことが大切です。問い合わせの多い時間帯では、回答までに時間がかかる場合もあります。
実際に使ってみよう!MT5口座開設の流れと注意点
MT5口座の開設は、通常のFX口座開設と同じ流れで進められます。ただし、いくつかの注意点があるため、事前に確認しておきましょう。
口座開設から取引開始まで、通常1-3営業日程度かかります。余裕を持って手続きを進めることをおすすめします。
デモ口座で試してから本口座へ進むのがおすすめ
いきなり本口座を開設するより、まずはデモ口座で操作感を確認しましょう。MT5は高機能なため、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
デモ口座では、リアルタイムの価格を使って仮想資金で取引練習ができます。注文方法やチャート操作など、基本的な機能を一通り試してみてください。
特に以下の機能は、実際の取引前に必ず確認しておきましょう。
成行注文と指値注文の違いを理解することは重要です。また、損切りや利食いの設定方法も覚えておく必要があります。
MT5独自の機能である板情報の見方も、デモ口座で練習できます。どのような情報が表示されるのか、取引判断にどう活用するかを学んでおきましょう。
口座開設時に確認すべき書類と手続き
本口座開設には、本人確認書類とマイナンバー書類が必要です。事前に準備しておけば、手続きがスムーズに進みます。
必要書類は以下の通りです。
| 書類の種類 | 受け入れ可能な書類 |
|---|---|
| 本人確認書類 | 運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等 |
| マイナンバー書類 | マイナンバーカード、通知カード、住民票等 |
| 住所確認書類 | 公共料金領収書、住民票等(発行から3ヶ月以内) |
オンラインで書類をアップロードする場合、画像が鮮明であることを確認してください。不鮮明な画像は審査に時間がかかったり、再提出を求められたりする可能性があります。
また、書類の有効期限も事前にチェックしておきましょう。期限切れの書類は受け付けてもらえません。
初回入金と取引開始までのステップ
口座開設が完了したら、初回入金を行います。入金方法は業者によって異なりますが、多くの場合、銀行振込とクイック入金が利用できます。
入金が反映されたら、MT5をダウンロードして口座にログインします。業者から送付されるログイン情報を使って接続してください。
初回ログイン時には、以下の設定を確認しておきましょう。
まず、チャートの時間設定を確認します。サーバー時間と日本時間の差を理解しておくことが重要です。
次に、通知設定も確認しておきましょう。重要な価格に到達したときや、注文が約定したときに通知を受け取れるよう設定できます。
MT5を使いこなすための基本操作とコツ
MT5の豊富な機能を活用するには、基本操作をしっかり覚えることが大切です。最初は複雑に感じるかもしれませんが、慣れれば直感的に操作できるようになります。
効率的な取引を行うためのコツも併せて紹介します。これらのテクニックを覚えれば、より快適にMT5を使えるでしょう。
チャート設定と分析ツールの使い方
MT5のチャート機能は非常に高性能です。まずは基本的な時間足の切り替えから始めましょう。
21種類の時間足が用意されているため、分析目的に応じて使い分けることが重要です。長期トレンドを見る場合は日足や週足、短期的な動きを見る場合は1分足や5分足を使用します。
テクニカル指標の追加も簡単に行えます。画面上部の「挿入」メニューから「インジケーター」を選択すれば、様々な指標を追加できます。
| カテゴリ | 代表的な指標 |
|---|---|
| トレンド系 | 移動平均線、ボリンジャーバンド、一目均衡表 |
| オシレーター系 | RSI、MACD、ストキャスティクス |
| ボリューム系 | 出来高、価格帯別出来高 |
初心者の方は、まず移動平均線とRSIから始めることをおすすめします。これらの基本指標を使いこなせるようになったら、他の指標も試してみましょう。
注文方法と決済のタイミング
MT5では様々な注文方法が利用できます。基本的な成行注文と指値注文に加え、逆指値注文やOCO注文なども可能です。
成行注文は現在の市場価格で即座に約定させる注文です。すぐに取引したい場合に使用します。
指値注文は、指定した価格に達したときに自動で約定する注文です。より有利な価格で取引したい場合に活用します。
決済のタイミングも重要なポイントです。事前に利益確定と損切りの水準を決めておき、その価格で自動決済されるよう設定しておきましょう。
感情に左右されず、計画的な取引を行うことが成功の鍵となります。
リスク管理で押さえておきたいポイント
MT5を使った取引では、リスク管理が最も重要です。どんなに優秀な分析ツールを使っても、リスク管理を怠れば大きな損失を被る可能性があります。
まず、ポジションサイズの管理から始めましょう。1回の取引で投入する資金は、口座資金の1-2%に抑えることが基本です。
損切りラインの設定も必須です。取引を始める前に、どこまで損失が拡大したら諦めるかを決めておきます。この水準に達したら、感情を排して機械的に損切りを実行しましょう。
また、相関の高い通貨ペアで同時にポジションを持つことは避けるべきです。リスクの分散ではなく、集中になってしまう可能性があります。
よくある疑問を解決!MT5利用時のQ&A
MT5を使い始めると、様々な疑問が生じることがあります。ここでは、特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
事前に疑問を解消しておけば、より安心してMT5を利用できるでしょう。
海外業者のMT5と国内業者の違いは?
海外業者と国内業者のMT5には、いくつかの重要な違いがあります。最も大きな違いは規制の違いです。
国内業者は金融庁の厳しい監督下にあります。そのため、レバレッジは最大25倍に制限されていますが、信託保全により資金の安全性が確保されています。
海外業者では数百倍のレバレッジも可能ですが、万が一業者が破綻した場合の資金保護は限定的です。また、利益が出た場合の税制も異なります。
国内業者の利益は申告分離課税で一律20.315%ですが、海外業者の利益は総合課税の対象となります。利益が大きくなるほど税率が上がる仕組みです。
安全性を重視するなら国内業者、ハイレバレッジ取引を行いたいなら海外業者という選択になるでしょう。
スマホでもMT5は快適に使える?
MT5のスマホアプリは非常に優秀です。パソコン版とほぼ同等の機能が利用できるため、外出先でも本格的な取引が可能です。
チャート分析機能も充実しており、30種類以上のテクニカル指標が利用できます。描画オブジェクトも豊富で、トレンドラインやサポートラインを引くことも可能です。
注文機能もパソコン版と同様に、成行・指値・逆指値など様々な注文方法に対応しています。ワンタップで決済できる機能もあり、素早い取引判断に対応できます。
ただし、画面サイズの制約により、複数チャートの同時表示には限界があります。本格的な分析を行う場合は、やはりパソコン版が適しているでしょう。
トラブル時のサポート対応はどう?
MT5でトラブルが発生した場合、まずは利用している業者のサポートに連絡しましょう。接続問題や取引に関するトラブルは、通常業者側で解決できます。
よくあるトラブルとしては、ログインできない、チャートが表示されない、注文が通らないなどがあります。これらの多くは設定の問題や一時的な通信障害が原因です。
サポートに連絡する際は、以下の情報を準備しておくとスムーズです。
使用している端末とOSのバージョン、MT5のビルド番号、発生している現象の詳細、エラーメッセージがあればその内容を伝えましょう。
多くの業者では、よくある質問をWebサイトにまとめています。まずはFAQを確認してから、解決しない場合にサポートに連絡することをおすすめします。
まとめ
MT5対応の国内FX業者は、それぞれ異なる特徴を持っています。FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)の狭いスプレッド、外為ファイネストの透明性、アヴァトレード・ジャパンの豊富な通貨ペア、フォレックス・ドットコムの世界基準の環境、サクソバンク証券の充実した情報提供など、自分の取引スタイルに合わせて選択することが重要です。
業者選びでは、スプレッドの狭さだけでなく、約定力やサポート体制、取引ツールの使いやすさも総合的に判断しましょう。デモ口座を活用して実際の取引環境を体験してから、本口座開設を検討することをおすすめします。
MT5は高機能な取引プラットフォームですが、機能の多さに惑わされず、基本的な操作とリスク管理を確実に身につけることが成功への近道です。まずは少額から始めて、徐々に取引規模を拡大していくことで、安全で効率的なFX取引を実現できるでしょう。
本サイトの情報は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。FX取引には元本を超える損失が発生するリスクがあります。必ずリスクを理解したうえで、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。なお、FX取引に関する詳細な制度や注意点は以下のリンクを参考にしてください。